経営・企業戦略

経営・企業戦略

経営戦略とは

「経営戦略」とは、企業を取り巻く環境に適応すること、

つまり、厳しい経営環境の中で「競争優位」を獲得するために、持てる経営資源を有効に活用して環境に適応するための迅速な意思決定と果敢な行動が重要となります。

経営戦略の内容

  • 全社戦略または企業戦略」(corporate strategy)
    • 企業全体として、どのような方向性で経営していくのかを示したもの。
  • 事業戦略または競争戦略」(business strategy)
    • 個々の事業単位でどのような行動をとり、優位性を構築するかを示したもの。
  • 機能別戦略」(functional strategy)
    • 購買、生産、マーケティング、財務、人事など、それぞれ個々の機能ごとに、企業全体に共通な戦略が構築されること。

上記の企業経営に関わるさまざまな戦略を総称して「経営戦略または企業戦略」と呼んでいる。

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企業組織と戦略の関係

「組織は戦略に従う」(チャンドラー)

  • 企業によって成長の仕方は異なり、それぞれの成長の仕方に応じて組織構造が設計されるということ。

「戦略は組織(風土)に従う」(アンゾフ)

  • 新たな戦略が策定されても、変革に対する組織の抵抗によって戦略が出しきれないため、

    経営戦略の実行を期するためには、組織文化や組織能力と絶えざる組織学習が必要であるということ。

現代的には、上記のどちらかが先というのではなく、
組織は戦略に従い、同時に戦略は組織に従うといった“相互作用”の中で
経営戦略が形成され、組織が編成されるという「相互浸透関係」で捉えることが一般的となっている。

経営戦略の具体的策定プロセス

環境分析と戦略策定

  • 自社の経営環境の現状を「外部環境」と「内部環境」の面から分析し、自社にとって何が問題かを把握する。
    • 「外部環境分析」=自社が置かれた経営環境について分析すること。
    • 「内部環境分析」=自社が有する経営資源とそれに隣接する領域について分析すること。
  • 環境分析で得られた問題点と自社とのギャップを埋める対策について

    「仮説」を立て、その中から自社にとって最も有効と考えられる戦略を選択する。

いかなる企業でも経営環境の制約を受けるうえに、保有する経営資源(ヒト・モノ・カネ)は有限であり、

その上で「機会」を活かし、「脅威」を避け、「強み」を発揮し、「弱み」を補完するための指針を検討することが、戦略策定の本質となります。

経営環境(外部環境、内部環境)の把握方法

外部環境=マクロ環境とミクロ環境

  • マクロ環境とは、企業組織にとっての機会を生み出したり、組織に脅威を与えたりする大きな力となる環境を指し、
    企業にとって統制(コンチロール)が不可能な外部環境のこと。
  • 具体的には、政治的(Political)環境、経済的(Economic)環境、社会的(Social)環境、技術的(Technological)環境の4つのことであり、
    それぞれの頭文字を取って「PEST分析」といい、下表のようになります。
政治(法律)的環境政府の政策や法律的規制など
経済的環境経済成長率、公定歩合や金利の変動など
社会(文化)的環境社会的価値観や文化など
技術的環境新しい技術の開発など
その他自然環境自然破壊、公害問題、産業廃棄物問題など
  • ミクロ環境とは、企業の事業環境のうち、準統制可能な外部環境のことで、
    企業の周辺の環境を指します。具体的な内容は下表のとおり。
顧客マーケティングの方向性を決定する最大の要因
競争企業企業がマーケティング戦略を策定し、競争優位性を発揮するためには、顧客と同じく最も重要な要因。
流通業者卸売業者や小売業者、販売代理店など
供給業者素材や原材料などの調達先または製品の仕入先
マーケティング助成機関物流業者やコンサルタント会社、調査会社、金融機関、広告代理店など

内部環境=企業にとって統制可能な企業内部の環境のこと

内部環境≒経営資源

人材優秀な経営者や従業員、開発力のある技術者など
資金設備資金や運転資金など
資産土地・建物、機械・装置等の固定資産など
製品品質の高い製品、差別化された製品など
情報過去の販売データ、顧客データ、競合他社情報など
ノウハウ新製品開発のための技術力、合理的な生産システムなど
社内の各部門生産部門、会計部門、購買部門、人事部門など

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SWOT(スウォット)分析とクロス分析(9マトリクス)

SWOT分析(SWOT analysis)とは

  • SWOT分析とは、目標を達成するために意思決定を必要としている企業における
    強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」を評価するのに用いられる経営戦略策定のための代表的な手法の1つで、
    SWOTとはそれぞれの頭文字を取ったものです。
  • SWOT分析は経営戦略の決定に当たり、自社の内部環境(人材、設備、資金、技術力、情報など)と、外部環境(一般環境、消費者環境、業界環境、競争環境など)の分析を行う。

    また、外部環境の中にある「機会」と「脅威」を明らかにして適切な経営戦略を決定します。
  • 「機会」か「脅威」の判定においては、必ずしも「業績にプラスと思われる変化」が機会であるとか、「業績にマイナスと思われる変化」が脅威というわけではありません。

    自社の業績にプラスと思われる環境変化は、競争相手にとってもプラスとなる。
    従って、環境変化に対応する力が競争相手よりも勝っているか、あるいは競争相手よりも先に環境変化に対応しないと「機会」にはならないことに留意する必要があります。

クロス分析(9マトリクス)とは

  • クロス分析は、SWOT分析をより体系化し論理的にアイデアが出せる便利なツールで、下表の「戦略オプション検討表」で検討します。

    [戦略オプション検討表]

    CSFを抽出内部環境
    強み弱み
    外部環境機会コアコンピタンスをビジネスチャンスに活かす(強み×機会)提携・コーディネート・コラボレーション・アウトソーシング(弱み×機会)
    脅威差別化・異質化・コストリーダーなど(強み×脅威)リスク回避(弱み×脅威)
  • 重要成功要因または実施項目(CSF)」の抽出
    • クロス分析が出来上がったら重要成功要因(CSF)を導き出す作業に進む。

      CSFとは、経営戦略を実施する際、その目標・目的を達成するうえで決定的な影響を与える要因のことで、戦略・戦術上の重点実施項目といえる。
    • 具体的にCSFは、戦略/戦術レベルや会社/部門/個人レベル等、段階やレベルを追って設定される。

      またこれらに対し、具体的で定量的な「KGI(重要目標達成指標)」や「KPI(重要業績評価指標)」にまで落とし込むことが必要となる。

      [ 参考ーCSF、KGI及びKPIについて ]

      • 実施項目(CSF)』(Critical Success Factors)
        • 経営戦略を計画的に実施する際、その目標・目的を達成する上で、決定的な影響を与える要因のこと。
        • 何をすれば良いのかを決定するものであり、その分析・決定は重要な意味を持つ。
        • この「CSF」は、戦略/戦術レベル、全社/部門/個人と、段階的に策定され、最終的には、より具体的・定量的な「KGI」「KPI」にまで落とし込まれる。
      • 数値目標(KGI)』(Key Goal Indicator)
        • 企業目標やビジネス戦略を実現するために設定した具体的な業務プロセスをモニタリングする指標の1つで、何をもって成果とするかを定量的に定めたもの。
        • 業務プロセスにおける目標(ゴール)と、それが達成されたか否かを評価するための評価基準である。
        • その中間的数値指標として「KPI」と対で利用されることが多い。
      • 評価指標(KPI)』(Key Performance Indicator)
        • 企業目標やビジネス戦略を実現するために設定される指標(業績評価指標)の中で、特に重要なものを指す。
        • 経営戦略では、まず命題となる「目標」を定め、次にその目標を具体的に実現するための「手段」を策定し、その手段がきちんと遂行されているかどうかを定量的に測定する「指標」を決める。

          この目標を「戦略目標」、手段を「CSF(実施項目)」、そして指標を「KGI(数値目標)」「KPI(評価指標)」と呼んでいる。

      「KGI」がプロセスの目標(ゴール)として達成したか否かを定量的に表すものであるのに対して、
      「KPI」はプロセスの実施状況を計測するために、実行の度合い(パフォーマンス)を定量的に示すものである。

      換言すると、KGI達成に向ってプロセスが適切に実施されているかどうかを「中間的」に計測するのがKPIであるといえる。

      • 一般的に利用される「KGI」としては、「売上高」「利益率」「成約件数」などがあり、

        「KPI」としては、「引き合い案件数」「顧客訪問回数」「歩留まり率」「解約件数」などが該当する。

        そして、これらを日次・週次など一定期間ごとに実績数値を計測しプロセスの進捗を管理することになる。

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バリューチェーン分析とVRIO分析

バリューチェーン(価値連鎖)分析とは

  • 「バリューチェーン(価値連鎖)分析」とは、企業のすべての活動が最終的な価値(マージン)にどのように貢献するのかを体系的かつ総合的に検討する手法。
  • マイケル・E・ポーターは「競争優位」を調べるには、付加価値よりもバリューチェーンを分析するほうが適切であると述べている。

    バリューチェーンは、価値(=バイヤーが会社の提供するものに進んで払ってくれる金額、のこと:ポーター)のすべてを表すものとしている。
  • バリューチェーンは、価値をつくる活動マージンで構成されており、
    「価値活動」は、主活動支援活動に分かれている。
    • 「主活動」=製品・サービスが顧客に到達するまでの「材料や部品の購買物流」「製造」「出荷物流」「販売・マーケティング」「サービス」等のこと。
    • 「支援活動」=「調達活動」「技術開発」「人事・労務管理」「全般管理」等があり、すべての支援活動が個々の主活動に関連しており、バリューチェーン全体を支援するもの。
    • 「マージン」=総価値-価値活動の総コスト
  • バリューチェーン分析の進め方
    • ステップ1=自社のバリューチェーンの把握。
    • ステップ2=バリューチェーンの各活動(業務)のコスト分析。
    • ステップ3=バリューチェーンのどこが強く、どこが弱いかの分析。

バリューチェーン分析表

レイヤー自社競合他社
A社B社
強み弱み強み弱み強み弱み
購買・物流############
製造############
出荷物流############
販売マーケティング############
サービス############
調達活動############
技術開発############
人事労務管理############
全般管理############

VRIO(ヴェリオ)分析とは

  • 「VRIO分析」=バリューチェーン分析の活用法としてVRIO(ヴェリオ)による経営資源の競争優位性分析を行うこと。
  • 「VRIO」とは、「価値」(Value)「希少性」(Rareness)「模倣可能性」(Imitability)、「組織」(Organization)の頭文字で、経営資源分析の際の4つの要素のこと。
  • 自社の各価値活動について、自社の競争優位性の源泉となる「強み」を把握して
    • 「価値、V」=その強みは経営目標の達成に有効か?
    • 「希少性、R」=その強みに希少性はあるか?
    • 「模倣可能性、I」=その強みは模倣されにくいか?
    • 「組織、O」=その強みを最大限に活かすことのできる組織作りができているか?
  • 「VRIO」が最も高い活動は、競争優位性の源泉となっており、
    逆に「VRIO」が最も低い活動は、もしもコストが自社よりも低い場合はアウトソーシング化し、バリューチェーンの短縮を図るなどの対策を検討する必要がある。

VRIO分析表の例

レイヤー強みV(価値)R(希少性)I(模倣可能性)O(組織)
その強みは経営目標の達成に有効か?その強みに希少性はあるか?その強みは模倣されにくいか?その強みを最大限に活かすことのできる組織作りができているか?
購買サプライヤーが安定しており関係も良好########
物流グループ内で共同購入システムを構築########
製造生産技術力が高い########
国内1か所、海外3か所に生産拠点を保有している########
出荷物流物流業者との関係が良好########
販売マーケティング販売チャネルが充実している########
サービス出張保守体制が充実している########
調達活動自己資本比率が高い########
メインバンクとの関係良好########
技術開発特許を保有########
人事労務管理従業員教育が充実している########
全般管理経営トップの意思決定が迅速########

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バランススコアカード(BSC)による経営環境の把握

  • バランススコアカード(Balanced Score Card)とは、企業のビジョンと戦略を4つの視点から具体的なアクションへと変換して計画・管理し、

    戦略の立案と実行を支援するとともに、戦略そのものも市場や環境の変化に合わせて柔軟に適合させるための「経営戦略立案・実行評価」のフレームワーク。
    また、このフレームワークで利用される達成目標と評価指標を記載したカードのこと。
  • 1991年、ハーバード大学のロバート・キャプラン教授らが開発した経営管理手法。

    従来の財務的業績指標に偏った業績管理の限界を打破し、広い範囲の評価基準を策定し、そこから顧客の満足度従業員のやる気など、評価の難しい「無形財産の価値」を明確にすることを目指した。

    そこで、「財務的業績評価指標」と「非財務的業績評価指標」を併用することによって、企業の過去、現在、将来の活動が適正かどうかを判断することが基本となっている。
  • 「4つの視点」とは、「財務の視点(過去)」「顧客の視点(外部)」「内部業務プロセスの視点(内部)」「学習と成長の視点(将来)」のことを指します。
    • 財務の視点」=財務的業績向上のために利害関係者(ステークホルダー:株主・顧客・従業員)に対して、どのように行動するかを表した視点。
    • 顧客の視点」=財務的目標を達成するために、顧客に対してどのように行動すればよいかを表した視点。
    • 内部業務プロセスの視点」=競合他社よりどのようなプロセスに秀でていればよいか、顧客はどのようなサービスや製品を求めているのか等、
      ビジョンの達成へ向けて企業の基盤を確立し、対応能力を身につけるための業務プロセスを表した視点。
    • 学習と成長の視点」=財務的視点・顧客の視点・業務プロセスの視点における戦略目標やターゲットを達成するために、企業の変革能力と学習能力をどのように伸ばし活用していくかを表した視点。
  • 上記4つの視点から、戦略に適合した個人や部門ごとの、個別の「実施項目(CSF)」「数値目標(KGI)」「評価指標(KPI)」を設定し、

    「PDCAサイクル」を回して、これらをモニタリング(監視)することによって、社内のプロセス改善や各個人のスキルアップを促し、企業変革を推進する方式として活用されています。
  • これらの4つの視点は独立したものでなく、各指標間の因果関係に基づいて設定される必要がある。

    これにより、(a)短期的利益と長期的利益、(b)全社目標と部門目標、(c)株主・顧客・従業員などの利害関係者間のバランスを取りながら、
    統一的な戦略策定と、その戦略と整合性のある実践が行われるようになります。
  • 4つの視点間で一貫性のある戦略を策定するためのツールとして「戦略マップ」が提唱された。

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競争戦略の基礎(基本的考え方)

業界分析(ファイブフォース分析)とは

  • ファイブフォース」=産業内の競争を支配する5つの要因のことで、「同業者間の競争」「新規参入の脅威」「代替製品やサービスの脅威」「顧客(買い手)の交渉力」「サプライヤー(供給業者)の交渉力」のこと。

同業者間の競争

  • (a)同等規模の競合企業が多い場合、(b)業界が成熟期に達し、成長のスピードが遅い場合、(c)固定費の割合が大きい業界(例:研究開発費が大きい業界、設備投資金額が大きい業界等)などの場合には、「敵対関係」が激しくなる。
  • 特に、固定費の割合が大きい場合には業界からの撤退が難しい。

    なかでも「装置型産業」(=設備がほかの目的に転用できない)等は、「カルテル(企業連合:同一産業の独立した数企業が、市場統制を目的としてある経営活動について協定を結ぶこと)」の締結で競争緩和を図るか、「合併」や「合理化」を繰り返して生き残りを図る。

新規参入の脅威

  • 新規参入の可能性が高い業界とは、つまり「新規参入障壁の低い業界」のことであり、競争は激しさを増す。

    そのため、競合企業を増加させるために、業界の収益性が高まったとしても、すくに新規参入者の増加により収益性が下がってしまう。
  • 「参入障壁」となるのは、(a)技術的な障壁、(b)マーケティングの障壁、(c)設備投資の障壁等が考えられる。
    さらに、市場のグローバル化により、海外メーカーの新規参入の脅威も増しつつある。

代替製品やサービスの脅威

  • 代替品」とは、消費者のニーズを満たす既存製品以外の「新製品」のこと。
  • 現行の製品と比較して、コストパフォーマンスに優れた代替品やサービスが現れる可能性が高いほど、脅威は高くなる。

    (例)カメラ付携帯電話の登場により、デジタルカメラメーカーが苦戦しており、また一世を風靡したポケベルも市場から無くなった事実。

    コストパフォーマンス」(CP:Cost Performance)とは

    作業に必要な費用(コスト)と、その作業を実行するための能力(パフォーマンス)を比較したもので、少ない費用で高い能力を得られる場合「コストパフォーマンスが高い」という。

顧客の交渉力

  • 顧客の交渉力」(=価格面、機能面、諸条件など)が強い場合、売り手はぎりぎりの値引きを要求されるため、収益が上がらない。
  • 例えばスーパーマーケット業界などで、大手スーパーが自社ブランド製品を企画し、協力メーカーに製造を委託するケースでは、

    買い手(大型スーパー)の発言力が強いため、メーカー側は「価格競争」などによって受注を取り合うことになってしまう。

サプライヤー(供給業者)の交渉力

  • サプライヤーの交渉力が強い場合も、業界の平均収入は低下する。
  • 売り手が強い交渉力を持つのは、(a)売り手側の業界が「寡占業界」である場合、(b)売り手側が「独占的技術」を持っている場合である。

    (例)パソコンの製造販売の業界の場合:&br:パソコンの組立メーカーは「薄利多売」の戦略となるが、マイクロソフト社(OS関係)やインテル社(CPUやMPU)が全世界シェアの80%を占めて独占的に提供しており、極めて大きな利益を上げている。

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ポーターの3つの基本戦略とは

  • どの企業でも必要な3つの基本戦略がある。それは「コスト・リーダーシップ戦略」「差別化戦略」「集中戦略」のこと。

    これは「ファイブフォース分析」における「競争優位性」を確立し、また競争優位性を持続させるための戦略。

コスト・リーダーシップ戦略

  • 同業他社よりも「低いコスト」を実現することで「戦略の有利性」を構築すること。

    つまり、事業活動に必要なコスト(原材料、生産、流通、販売、管理等)を同業他社よりも低く抑えることによって「競争優位性」を構築すること。
  • コスト低減は企業の収益力を向上させ、低価格の実現は業界内の「価格決定権」を握ることになり、同業他社を圧倒するシェアの獲得ができる。
  • コスト・リーダーシップ戦略は、豊富な経営資源を持っている「大企業」に有利な戦略といえる。

差別化戦略

  • 業界の中で「特異性」のあるものを創造することで戦略の有利性を構築すること。

    つまり、同業他社が模倣しにくい「特異性」を製品やサービスに付加し、顧客に独自性をアピールして「競争優位性」を構築すること。
  • 具体的な「特異性」とは、

    (a)デザイン、機能、(b)品質、サービス、(c)技術、ノウハウ、(d)販売、物流体制、等があり、
    これにより同業他社との「差異」を明確にすることで製品やサービスの価値を高め、相対的に高価格を実現することが可能となる。
  • 他社からの模倣を防ぐには、複数の差別化を組み合わせることで製品そのものの性能の良さを明確にする。

    加えて、「安全性」「豪華さ」「アフターサービスの充実」「ブランド力」等を組み合わせる。

集中戦略

  • 「特定の買い手」「特定の商品の種類」「特定の市場」等に経営資源を集中投入することにより「戦略の有利性」を構築すること。

    つまり、標的とする市場を絞り込み、少ない経営資源を効果的に活用して、製品やサービスの機能充実を図り、競争優位性を構築すること。
  • 「コスト低減」を図る(=「コスト集中戦略」)、「差別化」を図る(=「差別化集中戦略」)ないしは、両方を同時に実現する戦略。
  • 集中戦略の具体例。
    • 特殊分野への特化」(例:カーナビ用の液晶モニター)
    • 特殊顧客への特化」(例:乳幼児向けの家具)
    • 地域への特化」(例:地域の特産品等)
    • チャネルの特価」(例:エステサロン専用の化粧品)

      ◎以上を組み合わせて創造することも可能。

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相対的経営資源の優位性により決まる業界内の地位に基づく戦略行動

  • 業界内の企業の地位は、「リーダー」「チャレンジャー」「フォロワー」「ニッチャー」の4つであり、
    それぞれの「地位に応じた戦略」を取ることが望ましい(コトラー)

「リーダーの戦略」=「全方位的な戦略行動」が多い。
 

  • 「量的経営資源」にも「質的経営資源」にも競争優位性をもった企業。一般に「業界シェア№1」の企業を指す。
  • リーダーの戦略は、市場規模全体の拡大にある。このため、消費者層の拡大や用途開発、使用頻度の増大等を促すための「投資」を行う。
    ただし、投資対効果が小さいため、シェアを維持する戦略が多い。

「チャレンジャーの戦略」=「差別化戦略」が戦略の中心。
 

  • 「量的経営資源」には優れているが、質的経営資源がリーダー企業に比べ劣っているような企業のこと。「業界内2位~4位」くらいの企業を指す場合が多い。
  • チャレンジャーの戦略は、「シェアを奪うべき標的を決める」ことからスタートする。

    そのため、新製品の導入積極的な広告宣伝等の様々な手段がとられる。

「フォロワーの戦略」=「相対的に低価格を武器にする戦略」

  • 量的経営資源にも、質的経営資源にも優位性を持ち得ていない企業。

    また、生産や販売、物流やマーケティング等の機能面でも劣っているため、市場シェアも小さい。
  • フォロワーの戦略は、競合企業から反撃を招かない方法を選びながら、「リーダーやチャレンジャーの事業に追随」したり、「製品を模倣」したりすることでコストの低減化を図り、相対的に低価格を武器にする戦略をとる。
  • 消極的な戦略というより、株主にとっては合理的な戦略との評価を受ける場合も多い。

「ニッチャーの戦略」=「特定の顧客ニーズや限定的な分野で独自の地位を築く戦略」

  • 量的経営資源は相対的に劣っているが、「質的経営資源」は優れている企業。
  • ニッチャーの戦略は、基本戦略として「特化」であり、高い技術力やブランドによって支えられる製品やサービスを武器にして、
    限定した市場の中で競争優位性を構築する。
  • 経営資源が相対的に少なく、高い技術力を持った中小企業に適した戦略。
  • 「ニッチ戦略」のリスクは、ニッチ市場が消滅すること。
    その回避のために、複数のニッチを保有すること。

    垂直レベル(特定の工程)での特化、特定顧客向け特化、特定地域特化、特定製品特化、等々。

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